MESSAGEメッセージ

創業70年の「祇をん 新門荘」

100年目に向けてより働きやすく

女将 / 山内 理江

創業70年の「祇をん 新門荘」、100年目に向けてより働きやすく!

「祇をん 新門荘」はおかげさまで創業70周年を迎えました。
京都の尺度からすると、まだ赤ちゃんみたいなものかもしれませんが、これまでの歴史を大切にしながらも変化を恐れず、何事にもチャレンジし続け「旅館業」に誇りを持って商いをしています。
今年は次に迎える創業100周年を見据えて、スタッフのマルチタスク化を進めたり、旅館本来の魅力を味わってもらうために泊食分離を廃止したり、旅館の勤務体系であるたすき掛け制度を改め働きやすい環境作りに着手するなど、新体制を整えています。社員が安心してずっと働けるように、新門荘という土台を強固にしていけるよう地道に努力しています。

マルチなスキルをはぐくんでいきます。

ブラザー・シスター制度を導入しており、新しく入ってきた方にはマンツーマンで先輩から仕事のいろはを学んでもらっています。先輩はフロントメインだけど新入社員は客室メインというように、ここでの先輩はメインの部署が異なることもあります。またブラザー・シスターが途中で変わることもあります。
全スタッフで30人と大きい組織ではないので、一人の先輩とみっちり一緒にという必要もないですし、様々な視点を持ってもらいたいという願いを込めています。
また、先にも出てきましたがマルチタスクを採用しており、一つの部門の仕事だけではなく、仕事はなんでもしてもらいます。フロント 業務、清掃、接客、いろんなことを学んで、最終的には何をやっても滞りなく仕事ができるように育っていってほしいですね。

働きやすく、環境改革!

旅館業では、夕方から出社し、チェックインのお客様を向かい入れ、夜遅くまで働き、明朝同じお客様をお見送りするという「たすき掛け制度」という独特の働き方があります。
ただこの制度だとどうしても睡眠時間は短くなり、休息が取りづらいんですよね。
この働き方は極力抑え、睡眠・休息をしっかりととってもらい、丸一日の休みを月に8日間とれるように改革しました。
それに加えて有給の消化率もうちは高いです。遠慮せず確実に休みが取れる旅館というのはまだまだ少ないのではないでしょうか。もちろん、忙しい時期はみんなに頑張ってもらいますが、ゆとりができると順々に休みを取っていってもらう、そんな持ちつ持たれつの関係性が会社とスタッフの間でうまく取れています。
仕事のやりがいと福利厚生の充実度の高さで、スタッフの定着率が高いことは誇りです。
ちなみに正社員とパートさんの福利厚生の内容はほとんど同じなので、パートさんにとっては非常に魅力的な職場になっていると思いますよ。

“自分たちで作る旅館”に。

今までは、例えばお茶菓子一つをとっても「この銘柄で」とトップダウンで決定していたのですが、どういうお茶菓子だったらお客様に喜んでもらえるか、今年からスタッフに考えてもらうことにしました。
押し付けない経営スタイルにして、現場の意見を大切にしたいと思っているんです。正社員のみならずパートさんも含め、ここで働くスタッフは理想の旅館を作り上げるメンバーです。自分の一挙手一投足で変化していく旅館作りに喜びを感じてもらえたら嬉しいですね。

18歳から84歳まで、幅広い年齢層の職場です。

勤続40年、84歳になるおばあちゃんも現役で働いてくださっています。
20代の子はおばあさんのように経験値がない分、お客様とのちょっとした会話や職場内での互いを思いやる言動など、言葉では表せないものを吸収しています。
そういう空気感は一緒に働かないと学べないことなので、年齢層が幅広いことは良いことだと思っています。若者もおばあさんも全く同じ仕事をやるので、若い子は“もっとやれる!”と奮起しますしね。

若女将は、子育て中。

‘旅館の女将さん’というと着物を着て、お客様の前に出てご挨拶するイメージがあるかと思いますが、私は今小学生と園児の子育て中なので、主に洋装で働いていますし、そのイメージとは乖離しているかもしれません。
「自分の人生でやり残したことは子どもを放ったらかしにし過ぎたこと、子どもが小さいうちは子育てに注力した方がいいよ」、と何人もの女将の先輩たちからアドバイスを受けました。
先達が口を揃えて同じことを言うのだから、同じことをしていたら同じ後悔をすることになる、そう思い今は昼間だけの勤務にしています。
新門荘で長く働いていただくとしたら、結婚や出産の選択肢もいずれ出てくると思います。
そんな時、私が先駆者として、万全の体制で支えてあげたいですね。
今も時短勤務制度を取り入れたり、パートから正社員になってもらう方もいます。
環境の変化に合わせて、様々な勤務体系をこしらえていきながら、従業員の皆さんの選択肢を広げている最中です。

MESSAGE メッセージ

人と話すのが得意かどうかだったり、笑顔が出るかどうかだったりは二の次のことです。
あれもやりたいこれもやりたいという好奇心旺盛な人、想像力が豊かな人を求めています。
例えば“私パソコンオタクなんです”という方が来てくださったら、ウェブ関係をお任せします。ただそれだけに止まらず、もっと自身の視野や力量を上げて欲しいので、他のこともやってもらうし、そのためには研修も受けてもらいます。若いのに限界を作って欲しくないんです。
“実は私、こんなことも得意だった!”ということが必ず見つかるので、あなたが持っている可能性の幅を「祇をん 新門荘」で広げていきましょう。