旅館業というのはもともと庶民向けの旅籠屋(はたごや)や、街道沿いに出来た宿場町、大名向けの本陣などから発達してきました。家の主人たちが事前に家中の掃除を済ませ、玄関先で来られたお客様の足を洗い、薪を割って湯を沸かし、食事を用意し、布団も敷きました。
つまりお客様を迎え入れるために何役もこなしていたわけです。今の時代は一人何役も業務をこなすことを「マルチタスク化」と言いますが、そもそも旅館に携わる人間は、お客様を迎え・見送るまであらゆることをしてきた多能工に仕事していたわけです。
祇をん新門荘で働く人は、期間限定のジョブローテーションではなく、どの業務もプロフェッショナルに進めていくマルチタスク化をめざし日々努力を重ねています。
下表のように、一日は[主力業務]と[サブ業務]の組み合わせで、様々な業務を遂行していきますが目指すは★印のスタッフ像!
体力仕事だと思い込んでいた清掃業務は 実はとても「目配り・気配り・心配り」が必要であることを痛感したり、顔の見えない電話対応はより美しい日本語や間合いの取り方の難しさを痛感したり、食後の後片付けは時間管理力や段取力が明確に出る業務であったり…
この「マルチタスク化」はうがった見方をすれば、いろんな業務をさせられる。別の見方では、旅館のあらゆる業務に携わるので常にお客様目線を大切にでき、日常業務の飽きが来ず、創意工夫を重ねていくうえで人間の幅が広がる魅力もあります。
和の文化が好き!京都が好き!接客が好き!という延長で旅館に魅力を感じる方と一緒に働けることを心から願っています。